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吉井 文男; 嘉悦 勲
J.Macromol.Sci.,Part A, A13(1), p.43 - 50, 1979/00
すでに、長鎖モノマーのヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)が引込み効果によって、他のモノマーをカナル内に引入れることを報告した。この引込み効果を利用し、カナル内でのHDDAと第2成分モノマーの共モノマー組成とコポリマー組成との関係を調べた。25Cのイオンソース重合で得たコポリマー組成は、第2成分モノマーの組成がきわめて大きく、80%以上にも達した。後効果重合で得たコポリマーの組成は、インソース重合と異なり、仕込んだモノマー組織に近い。この重合反応は、カナルが崩れた後で重合するために、インソース重合では、HDDAのカナルが第2成分を引込んだカナルより安定なために第2成分のカナルだけが崩れやすくなって重合し、共重合は起こりにくい。一方、後効果重合では、温度が高いためにHDDAと第2成分のカナルが同時に崩れるために共重合反応が容易に起こる。ポリマー組成がモノマー組成に近いのは、分解前のカナル内のモノマーの配列状態が反映したと考えられる。
吉井 文男; 嘉悦 勲
Angewandte Makromolekulare Chemie, 69(1006), p.15 - 32, 1978/00
被引用回数:3ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)およびヘキサンジオールモノアクリレート(HDMA)が尿素と包接化合物をつくるときに引込み効果という現象、すなわちそれ自身では包接化合物を作らない比較的大きな分子でもHDDAおよびHDMAが共存すると、室温で包接化合物をつくるようになる。重合成の物質では最初の事実を見出した。その引込む割合は、HDDAの方がHDMAよりも大きく、分子サイズの小さいものほどその割合は大きくなるが、HDDAはスチレン程度であれば、等モル引込むことができる。これら引込まれた分子は放射線照射により共重合反応をし、HDDAの場合は、それ単独よりも重合率が大きく、また、引込む分子がアクリレートよりもメタクリレートの方が共重合反応しやすいことが分った。これにより、従来のようにごく限られたモノマーしか包接重合しなかったものから、より広い重合反応が可能となり、重合法としての一般性がでてきた。